え、恐竜の屁で地球が温暖化していたんですか〜?【G・JOEUはかく語りき】
ドキュメンタリー映画『不都合な真実』の製作に当たったのは、出演者でもある米議員アル・ゴア氏。次期アメリカ合衆国大統領の最有力候補者だった彼だが、米国を始めとする地球環境問題にメスを入れ、利益と相反する有力者らから嫌われてしまった。
作中において示された「地球の温暖化現象とその末路」は、大変興味深いものであり、また衝撃的なものですらあった。映画公開後は各組織や研究者らから反論がなされるなど科学的事実の論争があったが、とにかく、この映画は、各国の環境問題解決への牽引力のひとつにもなった。
そんな地球人たちが地球を温暖化の危機へと誘っている原因は、近年爆発的に発達した科学技術である。工場や自動車や生活家電などから排出される二酸化炭素が地球全体を多い、これが薄い膜となり、本来放出すべき太陽エネルギーを閉じ込めているのである。――が、恐竜が地球を跋扈していた遥か昔にも、ある原因で温暖化が進んでいたようだ。
7日発売の米学術誌「カレント・バイオロジー」に発表された研究内容によると、恐竜の巨大な体内から放出されていたメタンガスによって地球が温暖化していた、のだという。地球上に存在していた大規模草食動物が、植物を消化する際に、環境的な許容量を越えるガスを発生させたらしい。
リバプールのジョン・ムーア大学の研究者デーブ・ウィルキンソン氏らによると、体重20トンもの草食恐竜が放出するガスによって、2億5000万年前から6500万年にわたる中生代は、今日よりも気温が高かったのではないかと仮説付けている。
つまり、「恐竜の屁」が地球を温かくしていたという研究発表であると、私は理解したが――いやはや、なんとも規模が大きいような、少々間抜けなような、奇妙な生命体の一現象である。地球は青かった。そして、地球は臭かったのだ。(「日刊テラフォー」2012年5月14日)
関連の記事は共同でも配信していた。
恐竜のげっぷで温暖化? 英チーム、メタン放出で
大型の草食恐竜がげっぷやおならとして出すメタンが、恐竜が繁栄していた今から約1億〜2億年前の温暖な気候の一因になっていたとする説を、英リバプール・ジョン・ムーア大のチームが17日までに米科学誌カレントバイオロジーに発表した。
メタンは二酸化炭素(CO2)の20倍以上の温室効果を持つ。排出源としては、牛などの家畜が大きな割合を占める。家畜は胃の中の微生物の働きで食べた植物を消化する際に、メタンをげっぷやおならとして出すが、草食恐竜も同様にメタンを排出していたらしい。
大型の竜脚類が面積1平方キロ当たり10頭いたと仮定して、当時のメタンの排出量を試算した結果、1年間の排出量は5億2千万トンに上るという結果になった。牛が出すメタンの量(5千万〜1億トン)に比べてはるかに大きく、農業や廃棄物などの排出源を含め、人類が現在排出しているメタンの総量に匹敵する。(共同)(「MS産経ニュース」2012年5月17日)
そもそも恐竜とは「中生代に栄え,絶滅した巨大な爬虫類の一種。骨格の化石が発見されている。肉食性と草食性とがあり,白亜紀の草食性のものには体長35メートル,体重75トンに及ぶものもあった」(大辞林)というような生物で、中生代の地球上で大いに繁栄していた。
現代でも一般に草食性の動物は肉食性の動物より体が大きい傾向があり、それは象とか牛や馬など草食性の動物を見ても納得するが、彼らは大きな放屁でも知られている。草食性なら体の大きい恐竜が同様に屁をしたことは十分に推定できるわけだ。
草食性と肉食性の屁には質的な違いがあることは前にも書いたけれども、次のような傾向がある。
草食性の屁=(あまり)臭くない、音が高い、多量
肉食性の屁=(とても)臭い、音が低い、少量
このことは、我々が(大量に)野菜を食べたり肉を食ったりしたときに実感するね。芋や豆を食ったら屁が出て困るとか、焼肉を食ったら屁が臭いとか、我々の体は敏感に反応している。
大小の動物の食性は食物摂取の習性として、いろいろな観点から分類される。草食性や肉食性のほか、雑食性、腐食性、少食性、多食性、単食性といった分け方もあり、現実にはそういう多様な食性の組み合わせで成立しているものだ。
大雑把に草食性と肉食性を人間にあてはめれば、まあ人間は雑食性であろうが、草食か肉食かという主たる傾向はあるであろう。従来、よく言われてきたことは欧米の肉食に対して日本の菜食(というか、肉をあまり食べない)である。日本の場合は仏教が肉食を禁止したせいもある。しかし、日本全体で常食はしなかったものの、全く肉を食べなかったわけではなく、鹿や猪など狩猟による肉食はあった。要は欧米に対して肉食の頻度は極めて少なかったということなのである。
現代は日本の食も欧米化して肉食は当たり前。もちろん菜食主義の人はいるけどね。この食性の変化の日本人への影響は〈屁〉に関してもあるというべきだろう。昔の人に比べたら〈屁〉が臭い、音が低い、量が減った──ということなのだ。比較研究の客観データはないので、これは音成の妄想であ〜る。
まあしかし、食性が地域性や民族性や人種性など人間の気質を形成する有力な要因になるのではないかという考えは、大いに首肯されるべきだと思う。音成が前に〈屁〉から導き出した説では、恥の文化と嫌悪の文化がうかがえるのであるが(参照)、ここでは恐竜に話を戻す。
草食性の動物では(消化・吸収のために)腸が長い構造であることが知られている。一般に草食性の動物の体が大きいのはそういう内臓系の特徴からも納得がいくものだ。そこで草食性の恐竜が体を大きく進化させた要因は、単に太った(太りやすい)とかいうのではなく、そのことと草食という食性によって腸がのびることとが相まって、加速度的に食餌量が増えていったのではないか。
恐竜の何十トンもの体から出てくるガス量は膨大だったであろう。だいたい象でも体重は四〜五トンくらいらしいから、いやはや恐竜の体の巨大さには圧倒されるではないか。象も食性は草食。それで大きな屁をするのである。
象は小心者である。あんなでかい図体をしていながらとおかしくなるが、草食動物の悲しさだろうか。
しかし、おならは図体にふさわしく、動物のなかでもいちばん大きい。
ブーッ、ドカーン!! ブーッ、ドカーン!!
象が象舎の中で一発放つと、部屋じゅうが揺れる。隣に寝ている象も目をさますほどだ、とこれは到津動物園長の森友氏から聞いた話。(中村全享『おなら説法』1981年、祐学社刊)
これが恐竜だったら──屁の大きさ、すさまじさが想像されるではないか。最初の記事に戻れば、音成はこれを読みながら地球上を闊歩した恐竜の、天地を揺るがす巨大な屁の連打を思い浮かべたよ。温室効果ガスであるメタンガスは二酸化炭素の次に排出量が多く(温室効果ガス全体の20%)、温室効果は二酸化炭素の20倍以上という。
メタンガスは沼地や動物の糞尿分解などで地上の至る所で発生している。そして動物の腸内でもメタン菌により発生するのである。草食動物のゲップにメタンガスが含まれていることはよく知られているが、もちろん屁にもメタンガスは含まれるわけだ。人間ではメタン菌はいる人といない人がいるようである。メタンガスを含む屁は燃えるのだ。
ニュージーランドでは、家畜農家に対して羊などの家畜の温室効果ガス(メタンガス)の排出に税金(げっぷ税、おなら税というようなもの)を課しているほどだから、中生代において恐竜の屁が地球環境に影響を与えたことは決してあり得ないことではない。恐竜がどのくらいの数で生息していたのか知らないが、当時の地球の覇者なのである。恐竜のゲップも屁も糞尿もメタンガスの発生源としては巨大なものだっただろう。
メタンガスそのものは無臭でもあり、恐竜の屁はそんなに臭くなかったであろうが、体の大きさに合わせて多量に音高く放出されたのである。草食性の屁は「(あまり)臭くない、音が高い、多量」──その屁の究極に恐竜の屁は位置するものだ。
いまや人間は恐竜に替わって地球の覇者であるが、人間がする〈屁〉のメタンガスが問題になっているとはまだ聞かないわけだが。



